2016年08月12日

安西巧「広島はすごい」

日本経済新聞広島支局長となった著者が、着任後一年で書いたこの本、広島大好き人間の私にはとてもうれしいのだが、「コソバユサ」がないでもない。
だって過大評価じゃない?と思われる個所が多々あるからだ。住んで一念で時期尚早では?と心配してしまう。
安西さんはきっと、前世かご先祖さまが広島だったのだろう。

最後に広島を訪れたのが2年前。
原爆ドームと厳島神社という二つのユネスコ世界遺産があるのが理由なのか、ものすごい外国人観光客だった。
私が泊ったホテルにはポーランドからのツアー団体が泊っていた。
そのときに感じたのは、「広島は明るくなった」ということ。
中心部は相変わらず緑は多くはないものの、美しく整備され清潔感いっぱいだった。
そして広島の人々の親切で優しい印象はなによりもうれしかった。
このやさしさはつまりは、余裕ということかもしれない。
(私の東京の友人が広島観光で宇品へ行こうと、電車の行き先を停留所で訊ねたら、その中年女性は「宇品なんか行っても何にもないよ、かわりに市美術館に行きんさい」と教えてくれたそうだ。その「おせっかいさ」こそが広島女。まるでラテンの国の人みたいに黙っていられない)。

地方再生が云われて久しいが、成功しているところがそう多くない。街の中心部がシャッター通りという地方都市も多い。私の住む山梨県甲府市もそうで、これが県庁所在地なの?というくらい悲しい光景なのだ。
けれど広島には活気がある。
その理由としては、広島の街に中心性があることだと思う。悪く云えば街に広がりがないということでもあるのだが、東京のように大きなターミナル駅ごとに繁華街があるのではなく(渋谷、新宿、池袋、東京駅に近い日本橋や銀座など)、賑わう場所が一つというのがいいのだと思う。
そう、街のサイズがちょうどいいのだ。旧市内の東から西まで徒歩で歩けるサイズ。

この本に書いてあるように、広島の人口は日本で10番目。
中四国地方でもっとも大きな街だが「都会」というイメージはなく、あくまで「地方都市」。
それがまた心地よい。

著者は広島人の特徴を「群れない、媚びない、靡かない」と書いている。
うーん、そうかな。そうかも。。
反骨心はけっこうあるようだし、成功してもどこまでも「イケイケ」になるのではなく、欲がないというのも、そう感じる。

この本で面白いことに気づかされた。
それは倒幕が長州人によって為されたのは事実だが、しかしそれら長州人は広島の毛利が関ヶ原後に山口に移藩されたのであって、彼らのメンタリティは広島人だったのだということ。
そう言われればそうだよね。
広島の人たちは今でも、浅野のお殿様よりも毛利の方が好きみたいだ。

これは知らない人が多いのだが、パンの「アンデルセン」は広島の企業。
かっぱエビセンのカルビーもそう。
それと家電量販店の「EDEON」も本店は広島だそう。
「アンデルセン」は私が幼いころは「高木のパン屋さん」だった。現在のようにトレイにトングでセルフサービスでパンを買うシステムを日本で最初に考えたのが「アンデルセン」だ。
パンん冷凍技術の特許を持ちながらも、ライバルの同業他社に惜しげもなく解放したのは、パンの市場を広げるためだったそう。
広島に行くことがあったら是非、本通り商店街にある「アンデルセン」に行ってみてほしい。
爆心地から400メートルくらいなのに、旧帝国銀行だった石造りの建物は残ったのだ。それを買い取りバンケットホールやイートインが併設されたショップとなっているものだが、被災地ヒロシマにとってはとても大切な建物なのである。

もちろん広島でもっとも大きな企業は、マツダだ。
マツダの景気が悪いと広島全体の士気が上がらない。その意味で最近のマツダは好調で、広島が明るいのはそのいい影響なのだろう。
それと今年の広島カープ!
いつもは5月の鯉幟りの季節が終わるとポシャるのに、今年はスゴイですねぇ。ぶっちぎりの首位ですよ!
なんとかこのまま走りきってほしいものです。

「広島はすごい」。
都会の亜流にならないように、いつまでも地方都市の良さを持ち続けてほしいです。
posted by 北杜の星 at 07:09| 山梨 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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