2016年09月29日

加門七海「たてもの怪談」

夏は過ぎたけれど、タイトルに惹かれて怪談小説を読んだ。私、ホラー好きなんです。
日本では幽霊がでる場所は、墓場とか寂しい道やトンネルとかいろいろあるが、「家」というのも多い。
怖いですねぇ。もし引っ越した家に「出る」としたら、どうすればいいのか?ましてや借家ではなく購入した家だとしたら。

加門さんは実家住まいだったのだが、かねてより自分家が欲しいと考えていた。
最初は古い一軒家が希望だったが一生住むとしたら築年数が不安材料となるので、あきらめた。
次はマンションだ。物件を探すが急いでいるわけではないので、決定までに時間を数年かけた。
というのは、彼女は風水を香港に行ってまで勉強した人。どうしもそうした条件に合うところを見つけたかったからだ。
そのうえ、建物だけではなくその土地も問題になる。

加門さんはこれまでもいろんな「モノ」が「見える」人だった。それを書くのが彼女の仕事でもある。
「見える」だけではない。「呼ぶ」人でもあるのだから、私などは「怖ーい」こと甚だしいのだが、そこは「見る」のにも「呼ぶ」のにも慣れている加門さん、引っ越したマンションの部屋にたくさんの「見える」人が現れて宴会状態になっても動じない。どころか面白がっているのだから腹が座っている。
「いい気になるんじゃない」などと彼らに言う余裕。

加門さんはマンションに引っ越して、家財道具を運び込む前に、氏神様になる神社に部屋のお祓いをしてもらった。(この神社が実は彼女にとって曰くつきだったのだけど)。
それでも、「出た」のは、彼女が「呼ぶ」人だったからなんでしょうね。
私たちもj今の家を新築して入居する前に、神主さんに来ていただいてお祓いを受けた。
地鎮祭ときお願いしたその神主さんの目がとても澄んでいたのが強く印象に残っていて、ぜひ家が出来上がった時には・・と思っていたのだ。
お願いして正解だった。その神主さんはこう仰ったのだ。「今からこの家には神様がおられます。神様を汚すことのないように」とたった一言。
私が「どうしたら神様を汚すことになるのですか?」とお尋ねしたら、これもただ一言、「悪い想念をもつことです」。
もう完全にノックアウトされてしまった。
それから当分はその言葉を旨として暮らしていたが、いつの間にか忘れてしまって、いまでは悪い想念がウジャウジャしているのではないかな?
他人の悪口は言うし、悲観的になることもあるし。。

こういうのを読むと、「霊」ってそう怖いものじゃないのかもと思う。
中には邪悪なのもいるかもしれないが、他愛ないのもいるんみたい。
(でもやっぱり怖いというか気味悪さはあるのだけど)。
彼女が平然としていられるのは慣れだけでなく、知識もあるのかもしれない。
風水や気学など、半端じゃなく勉強してきている。

さて、加門さんのマンションがどうなったか・・それは読んでのお楽しみ。

この本は小説というよりも長いエッセイのよう。
後ろのページには東京都庁の建物の風水について書かれている。
うーん、都庁を設計したのは日本を代表する建築家の故丹下健三氏だ。数社による設計コンペで勝った建物。
それがあんまり風水では、良くないようなんですね。。
都知事たちの不祥事や今回の豊洲市場の件をみると、そうかもと納得できる気もするが。。

イギリスびいきの井形慶子さんが話していたが、イギリスでは幽霊の出る家(haunted )は高い値段で売買されるらしい。
つまり幽霊が出るほどその家には歴史があるということで、それが評価の対象となるそう。
幽霊が投資になるなんて、所変われば、ですよね。
posted by 北杜の星 at 07:53| 山梨 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。