2017年05月25日

シャルル・ヴァグナル「簡素な生き方」

「お金があればあるほど必要なものが増える」
「情報が多いほどわかり合えなくなる」
「言葉を操るほど信頼がなくなる」
「不要な贅沢で心が鈍る」
「収入≒能力ではない」
・・・

この本の各章にある見出しである。
すべて「簡素な生き方」に繋がるものだ。
じつはこの本、最近出版された本ではない。
120年前にフランスで出版され、アメリカで100万部を超えるベストセラーとなったのだそうだ。

シャルル・ヴァグネル氏は牧師で、ある結婚式のスピーチをしたところ、それを聴いた参列者たちが感動して出版の運びとなったという。
現代の私たちからすれば120年前の暮らしは牧歌的だった気がするのだが、これを読むとそうでもないらしいのだ。
世の中が忙しくなったのは第二次世界大戦が終わり、いろんなことのスピードが速くなり、パソコンやネットの登場でますますスピードが増したからだと思っていたが、もっとその前からだったのだ。
私が思うに、多分、世界が大きく変わったのは産業革命からなのではないだろうか。
産業革命以来、経済が発展し、世界の人々の暮らしの基盤がそれまでの価値観とは異なるようになったためだと思う。
それまでの小さなコミュニティーにあったお金を介さないおつきあいはなくなり、すべてに金銭が介入するようになった。
お金も、お金で買えるモノも、蓄えなくては不安になった。

著者がここの文章の一つ一つには、今を生きる私たちが自分を律し、心を正し、簡素な生き方を取り戻す必要性が書いてある。
そのためにはまず、強い自己顕示欲を排して、無名の存在として生きること。
多くの人が「有名」になることを望んでいる。
たとえば若い子が「歌手になりたい」というのは「夢」かもしれないが、「有名い」になりたいというのは「欲望」だ。
現代はそうした「欲望」が渦巻いている。
必要な食べものを食べる日常に満足せずに、毎日美味しいものを食べたがるのも「欲望」で、これは私の課題です。

でもシンプルな生き方とはなにも貧乏になりなさいと言っているのではない。
自分の持っているもので自分らしく生きなさいということ。
そのなかで「善」なることを少ししながら生きる。。これが「簡素な生き方」。

希望が湧くような、絶望的になるような、私にとってはちょっと複雑な本でしたね。
だって120年前からちっとも変っていないという絶望。
だけどこれを再び世に問おうとするのには希望。
こういうのを読むとやはり、家からモノを減らして、欲望も減らして、シンプルに暮らしたいと思います。
posted by 北杜の星 at 08:08| 山梨 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | サ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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