2017年07月03日

窪美澄・中島京子ほか「黒い結婚 白い結婚」

結婚にまつわるお話し7編のアンソロジー。
タイトルにあるように、うまくいかなかった結婚、幸せな結婚を描いている。
装丁がちょっと面白いのは、表と裏が黒色、白色となっていて、それぞれ活字が天地逆さに印刷されている。

窪美澄、瀧羽麻子、深沢 潮、森 美樹、木原音瀬、成田名瑠子、中島京子ら7人のなかにはこれまで読んだことのない作家がけっこう含まれていた。
アンソロジーで楽しみなのは、こうした未経験の作家作品が読めること。
これはめっけもの、という場合もあれば、やはりビッグ・ネームはそれなりに巧いとうなることもある。
今回のこれは、瀧羽麻子「シュークリーム」が好きだった。
(窪美澄の「水際の金魚」はあまりにありきたりのブラックさで、ゲンナリ)。

概していえば、このアンソロジーにはリアリティが感じられない。
どの作品の出来もイマイチという感じ。
そのなかで「シュークリーム」には結婚前の男女、とくに女性の心理がよく表現されている。
彼からプロポーズされ人生もっともハッピーな女性が、その後彼のちょっとした行動に引っかかるようになる。
例えばシュークリームの食べ方がそう。
彼はなかのカスタードが好きで、皮を残してクリームだけ食べる。彼女はそれがイヤでたまらない。
そんな彼が彼女の実家を初めて訪れることになり。。
というストーリーなのだが、じつはその彼、見えないところでいっぱい努力をしてるんですよね。
それに気がついた彼女があらためて彼を見直すのだけど、どんな好きな人にも、眉をひそめたくなるクセはある。
でもそれって相手も同じかもしれないけど、男性はとりたててそういうことを言わないだけ。

離婚理由としてよく言われる「性格の不一致」。でも性格の不一致なんて当たり前。
自分と同じ人間はいないのだから、親でも兄弟姉妹でも、親友であっても、性格の違いは受け入れている。
それなのに夫婦間だけは違いが許せないというのは何故か?
夫婦がそれを口実にするということは、つまりが、もうダメということなのだ。
違う性格を許容できていた時から許容できなくなるには、どんな出来事があったのか?
とくに何もなくても、だんだんコップの水が溢れるように、これ以上は我慢できなくなったのか。
私にも夫にも、相手のちょっとした気になるところはあると思う。
でもお互い、呑み込んでいる。呑み込めなくなたときが問題なのだろう。

「黒い結婚」ならとっとと解消すればいいと思うのは、私に子どもがいないからかもしれない。
でも今の寿命を考えると、耐えるには長すぎる人生だと思う。
それにしても、結婚て何なんだろう?といろいろ考えさせられる一冊でした。
どうしてもしなければいけなくはないけど、まぁ、一回くらいはしないよりしてみる方がいいというのが、私の結婚観。
いろいろあって、面白いよ。
posted by 北杜の星 at 07:35| 山梨 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする