2017年08月29日

神尾哲男「がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事」

まずお断りするとこの本の著者の神尾氏はこの本を発行した2カ月後のこの5月にに亡くなられた。
14年間、癌と寄り添いながらの末の死だった。
「なんだ、死んじゃったんだ」と言う人がいるかもしれないが、だからと言ってこの本を否定しないでほしい。
これは癌患者にとっては読む価値の大きな一冊だと思う。
それは食事はもちろんだが、食事以外の何かも得られると考えるからだ。癌細胞は自分の細胞が変異したもの。だから闘うのではなく寄り添う、つまり共に生きるというスタンスで暮らした14年間の彼の生き方が私は貴いと思うからだ。
そういうふうに生きれたのは、やはりその食事法から得たことが彼の精神にまで作用したからに違いない。

突然の腰痛に救急搬送され、そのまま入院。
前立腺がんが脊髄と鎖骨と鼠蹊部リンパ節に転移したステージWの末期がんと判明。
余命何カ月どころか、現在生きているのが不思議と言われた。

手術、抗がん剤治療を受けたが、神尾氏はそれらに納得できなかった。
知人からマクロビオテックの食事法を聞き、実践してみた。すると体が浄化される感覚があった。
神尾氏はフランス料理のシェフ。
群馬県前橋市においてフランス料理店を経営していた。
食材や栄養の知識はあるので、自分自身でいろいろ調べながら試行錯誤を続けた。
その結果、マクロビオティックの玄米菜食だけではパワーが出ないと気付き、肉や魚を摂るようになるが、無農薬の野菜、添加物のない調味料、糖質の制限などを実践。
医師とはケンカしながら、抗がん剤などの治療を拒否しつつ暮らした。

彼が何を食べたか、食べるのを避けていたか、これを読むと「まったくその通り」と首肯できる。癌患者だけでなく、他の病の人も、あるいは未病を防ぎたい人にとっても、彼の食生活はとても参考になるはずだ。
私はこれを読んで、とくにGI値の高い食物をなるべく除去しようという気になった。
GI値とは血糖の上昇率を表す数値で、食品のGIの低いものを選んで食べるのは、糖尿病だけでなく癌にとっても有効なのだ。
癌細胞にはブドウ糖が多量にくっついている。癌検査のPETはそのブドウ糖で癌細胞を発見する装置。
ということは、癌は糖質を好むのではないかという説がこのところ高まっている。

なにがいけないって、白いご飯、うどんなどは最悪。
もちろん白砂糖は論外。
炭水化物を食べるならば、玄米や蕎麦がおすすめ。野菜や果物であっても油断はできない。人参やバナナはGI値が高いのだ。

GI値の高い食品を摂取していると、高齢になればなるほど悪影響がでる。
血糖値が高くなると、歯周病、血管系や神経系の病気に罹りやすくなる。
私自身はそれほど癌を恐れてはいない。痛みのコントロールさえしてもらえれば、癌はそれほど怖い死に方とは思っていない。
でも脳血管系の病気にはなりたくない。QOLが下がる老後はご免蒙りたい。
人間、なにかで必ず死ぬのだから、死は避けられない。
それならせめて、なりたくない病気にはなりたくないなぁ、
だからGI値、これからの食生活にしっかり考慮に入れたい。

神尾さん、残念ではあるけれど、けっして後悔はされなかったと信じています。
ご冥福をお祈りします。
posted by 北杜の星 at 07:17| 山梨 ☁| Comment(0) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする