2017年09月05日

一青妙「台南 日本に出会える街」

これまで行ったところで一度は住んでみたいと思うのは、奈良、パリ、ローマ、イスタンブール。
一度も行ったことはないけれど、行けば絶対好きになる確信があるのが、バンクーバー、ホイアン(ベトナム)、そして台南だ。
なぜ台南か?
まず「老街」と呼ばれる旧い街並みがたくさん残っていて、街歩きが楽しそう。そして歩くのに疲れたら、ちょっとお茶を飲むカフェが選り取り見取り。
もちろん、食べものはすこぶる美味しい。
私、台湾料理が大好きなんです。
歩きまわるのに治安が良いのも安心。

著者の一青妙さんは歌手の一青窈の6歳年上のお姉さん。
才能豊かな女性で、本業は歯科医師だが、女優でもありエッセイストでもある。
以前、彼女のエッセイ「ママ、ごはんまだ?」を読んだことがあるが、とても素敵だった。

台湾きっての名家の父と、日本人の母の間に生れ、11歳まで台湾で育った。
11歳のときに父を残して母と妹ともに帰国。そのすぐ後に台湾の父が死去。母も彼女が20代初めに亡くなった。
一青という姓は母親の出身地の石川県にある名前だそうだ。(一青という土地名、日本酒もあるらしい)。

そんな彼女が愛してやまないのが、育った台北ではなく台南だ。
台北から新幹線で約2時間弱。
日本統治時代のノスタルジックな建物はリノベーションされ、若者向けのカフェやレストラン、ホテルなどとして使われている。
日本人が好きにならずにはいられないどこか懐かしい街、それが台南なのだという。

台南には「烏山頭ダム」がある。
これは日本人の八田という人が、台湾の数々の土木事業にたずさわり、「烏山頭アダムはその代表作。
彼は台湾の人たちから神様と崇められている。
一青妙さんは虫プロダクション制作のアニメ「バッテンライ!!南の島の水ものがたり」で、八田の妻の声を担当している。
「バッテンライ」とは「八田が来た」という意味だそうだ。

これを読んだときに、友人のMさんが話してくれたことを思い出した。
彼の母方のおじいさんは台湾で農業水路を作り、その用水路は現在も農業に使えれていて、現地の人たちの尊敬を集めて銅像を建ててくれていると。
出身地も出身大学も同じなので、てっきり八田氏がMさんのおじいさんのことだと思ったのだが、聞いてみると、おじいさんの兄貴分のような人が八田氏なのだそうだ。
Mさんのおじいさんの水路は台南ではなく台中にある。

中国本土や朝鮮半島と違って、同じ日本が植民地化したというのに、台湾はとても親日だ。台湾の人たちほど日本好きはいないと言われている。
日清戦争で勝利した日本が台湾を貰い受けた直後には、植民地としての搾取だけを考えていたのだが、第3代か4代の総督が立派な人だったようで、台湾を大切にし、インフラや工場などの施設を台湾のために造ったという。
つまりは上に立つ人間で、すべてが変わるということなんですね。
孫文や蒋介石が日本びいきだったということも影響しているのかもしれないけれど。

これ読むとますます、行きたいなぁ、台南!
posted by 北杜の星 at 07:42| 山梨 ☁| Comment(0) | ハ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする