2017年12月19日

金井真紀「パリのすてきなおじさん」

著者は作家兼イラストレーター。
日々の暮らし、または人生にちょっと風穴をあけようと考えたのが「そうだ、パリでおじさんを集めよう」ということだった。
なぜ風穴をあけたい事情があったのか?またそれがなぜパリのおじさんだったのかは置いておいて、この本、読み始めた。
いろんなパリのおじさんが紹介されている。
そのおじさんたちのイラストも添えてある。
このイラストがとっても素敵。絵っておもしろいですよね。不思議なことに写真よりも強く伝わってくるものがある。
多分それはイメージがふくらむからだろう。写真だと顔や姿などが完全に限定されるので、想像する余地がないという感じがする。

星つきレストランのシェフ、画家、弁護士、ボランティアをする人、書店主、ミュージシャン、劇役者、ワイン屋、競馬の達人・・
職業、年齢、容姿など、もちろん様々。
共通項があるとしたら、誰もが一家言もっているということ。
誰が何といっても、自分はこうだと、揺ぎがない。
お金を持っていようがいまいが、社会的地位とかなどに関係なく、誰もが自分の絶対性を信じていて、頑固きわまりない。

彼らの言うことを読んで思ったのは、日本人の男性はこのように人生を語らないよなということ。
照れくさいのか、面倒なのか、他人と意見が異なり、それを論じるのがイヤなのか。
私はちょっとでもいいから、その人の人生が垣間見れるような言葉をその人から聞きたいと思うのだけど、そういう日本人男性にはめったに出会えないのが残念だ。

興味があるパリのおじさん、いましたよ。
10着しか服をもっていないセバスチャン・ドダールさん。
彼はシンプルに生きたいと考えていた時、パリの街を歩いていたところ、「MUJI」を見つけて店に入った。
「MUJI]とは「無印良品」のこと。パリに進出してもう20年ほどになり、すっかりパリに定着している。
セバスチャンさん、店内を見まわして、そのシンプルでベーシックなデザインに「自分が好きなのはこれだ!」と思ったそうだ。
そして「MUJI」の販売員となり、今では企画や広報の仕事をしているという。
彼はいつも同じ服を着ている。おそらく10着も持っていないのかもしれない。
セバスチャンさんは「2分考えれば済むことを、みんな大袈裟に考え過ぎだよ」と言う。
シンプルライフの人は、なにもかもがシンプルなんですね。
こういう人に憧れます。

それともう一人、気になった人は競馬の達人。彼はワケわかんないことを言っていて、なんだかおかしい。
「自分はユダヤ人だから馬券が当たる」のだそうだ。
ユダヤ人と馬券、どう関係があるのか?

とにかくユニークなおじさんばかり。
そのユニークさを「特別」ではなくすべて許容するパリという大都会。
そこには「個」を尊重する社会があるのだろう。
金井さん、大きな風穴があいたとことでしょう。
posted by 北杜の星 at 08:04| 山梨 ☀| Comment(0) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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