「虹色天気雨」は、十代からの仲良し3人組、市子、奈津、まりの物語だった。
奈津の夫が突然失踪。一人娘の美月を市子が預かっていた。
小学生だった美月がこの「ビターシュガー」では、中学生に成長している。
そして以前のように、美月が市子の家に遊びにやってくるところから、続きは始まる。
奈津には内緒で、美月は市子の家でPCを借りて別居中の父親にメールをしている。
それだけでも、市子は奈津に隠し事をしているようで心苦しいのに、旭を居候させているのだ。
旭はまりの元恋人。断れない事情からから彼を引き受けたものの、なかなか言い出しにくい。
親友であるべき奈津とまりに、秘密を持っているつらさ・・
ちょっとドタバタの人間模様が、おかしくも人生を感じさせる小説だ。
三人を取り巻く周囲の人たちもなにやら気になる。
人は変わる。
ほんの数年の間にも、その人の美意識、価値観、ものごとの捉えかたが変わってしまうことがある。
ましてや幼馴染ともいうべき三人の女性。環境の変化は彼女たちを同じ場所にはとどめておかない。
例えば、本文中のこの箇所に笑ってしまったのだが・・
まりは若い頃には年上の男性が嫌いだった。
「あたしいやなのよー。年上の男に知ったかぶりで教育されたり、手なずけられている感じって」と。
どうして笑ったかというと、私がまったく同じだったから。
男性ってどうかすると、「教えたがり」でしょう?そういうふうに支配されるのって私もイヤだったなぁ。
もちろんそういうふうに「育てられたい」女性はいるだろうし、それはそれで人生、奥深くもあるのだろうけど、私もまりのように年上の男はダメだった。
でも、まりが今回恋した男性は、なんと十数歳も年上。
彼女曰く、若い頃の年上と、四十過ぎての年上では意味が違うのだそう。つまり四十にもなれば、トシの差なんてたいしたことではなくなるのだ。
そう、人は変わる。
だからこそ、以前は見えなかったものが見えるようになるし、許せなかったことが受け入れられるようにもなる。
そして新たになにかを始めることができる。
苦いようで甘いと言えるのは、悪くない人生だよね。
これを書いていて思ったのっだが、大島真寿美には甘い感じのタイトルが多いような気がする。
「チョコリエtッタ」「ココナッツ」「香港の甘い豆腐」・・
初期の「宙の家」や「水の繭」などが好きで大島真寿美を読み始めた。
最近の彼女はずいぶんとこなれてきたようだ。でも私の希望としては、これ以上こなれないでほしいな。
荒削りくらいの作家の方が、私は好きだから。
(イヤミでなく巧いというのは、なかなか難しいものなんですよね。文学でも絵でも)
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