2011年07月23日

町田康「スピンク日記」

町田康といえば猫。
「猫にかまけて」など猫にまつわるエッセイがたくさんある。
たくさんあるのも道理で、彼の家にはたくさんの猫がいるのだ。
その猫もペットショップで買ったものではない。みんな心優しい彼の奥さんが拾ってきたり、ボランティア団体の里親になっている猫たちだ。
その町田家に犬がやって来た。

町田康は都心から伊豆半島の山の中(海も近い)に移住した。
私の住むここ八ヶ岳の麓でもそうだが、人間、自然の中で暮らすようになると、犬を飼いたくなるようだ。
町田家にやって来た犬は猫と同じで事情があった。
あるブリーダーのところで生まれたのだが、売れ残ったうちの一頭の大型プードルだった。
スピンクと名付けれられたプードルが、この本の主人公。
スピンクから見た主人ポチ(町田康)のことを犬の目で書いているのだ。とっても楽しい、そしてとっても変な町田康。
(スピンクの後から、スピンクの兄弟であるキューティー・セバスチャンもやって来た。キューティーは他の人の手に渡ったものの、劣悪な環境におかれ虐待を受けて発達不全になった犬で、町田康の奥さんの手厚い世話でやっと成長できた。だから奥さんのことを母親だと信頼しきっている)。

町田康は自身で言っているように、完全な犬型人間で、前世は犬。今回初めて人間として生まれたらしい。
なのでまだ人間ができていない。わがままで自分勝手。
スピンクが朝の散歩に行こうと誘っても、自分の用が済むまでは腰を上げてくれない。その用もたいした用ではないのに。
また散歩に行って行き交う人と挨拶すろのが大の苦手のようなのだ。
苦手なら無視すればいいのだが、気が弱く屈折している主人ポチは愛想のいい声で挨拶をしてしまう。のみならずなにか一言も付け加えてしまう。
そういうことがどうやらストレスになっているみたいで、ここらあたりも人間として不完全なところとスピンクは思っている。
(でも、これってわかる気がする。ハッチ君は一人でそこらあたりを歩いてきてくれるのでホント、助かる)。

この本の表紙と裏表紙のスピンクの写真のかわいいこと!
縫いぐるみのようという表現がルけれど、まさに縫いぐるみだ。
だけど最後のページに載っているムッツリ顔の町田康とスピンクとキューティー・セバスチャンの写真を見ると、プードルって大きい犬なんだぁと思った。
いつも見ている小さなプードル、あれはトイ・プードルというのかな。全然サイズが違っている。
大きくてもすごーくかわいいのには変わりなし。
この本のなかに出てくる犬たちもかわいいが、奥さんも滅法かわいい。
ああだ、こうだと無茶を言ったりしたりの町田康を軽くいなすところなんて、夫操縦法として参考になります。

犬を飼おうとは考えないけれど、友人の家の犬たちと会えるのは楽しみな田舎暮らし。
だけどその犬たちもだんだんと歳をとって、足が立たなくなったりご飯の量がめっきり少なくなったり・・
犬は大きいほど寿命が短いそうだけど、みんな、長生きしてほしい。
posted by 北杜の星 at 06:43| 山梨 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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