2006年09月01日

月刊神戸っ子「作家たちの大震災」

今日9月1日は防災の日。
あの1995年1月17日の阪神淡路大震災を思い出して、防災について考えてみよう。
関西在住や関西に深いかかわりを持つ作家たちが、震災で壊滅した神戸に必死のエールを送っている本で、震災後1年ほどして書かれたものだ。
司馬遼太郎、陳舜臣、小松左京、藤本義一、田辺聖子、宮本輝、筒井康隆、玉岡かおる、黒岩重吾、阪田寛夫、高村薫、その他20人の物書きが原稿を寄せている。今はもう物故した人も何人かいる。
小松左京氏は震災から数年を経た後に、後遺症でウツ病となり、最近ようやく復帰した。

あんなに驚いたことはなかった。
朝は普段はTVを点けないのに、あの朝に限ってどういうわけか寝床からスイッチをONにした。
そこに映し出された光景・・。
横倒しになった高速道路、ポッキリ折れた高速道路でやじろべえのようにひっかかっているバス、倒壊したビル、ところどころからべてを煙が上がっている。
これが日本だとは思えなかった。中東かどこか空爆を受けた場所のようだった。
数年間関西で暮らした私には、大切な友人たちが住んでいる。彼らは無事なのか。

地震が来る、大地震が来る、といわれていても、どこかで大地はゆるぎないものと私たちは考えている。その大地が大揺れに揺れ、すべてを破壊してしまうのだ。命を奪ってしまうのだ。こんなに不安で怖いことはない。拠りどころにするものがなくなるのだから。
この本に執筆した作家たちは、神戸という町に特別の愛情を持っている。生まれたところ、住んでいるところ、親しい人のいるところ。神戸という町の歴史や文化や人間を誇りに感じている。
たしかに震災後、略奪や暴動は起こらなかくてすんだのは、この土地の特色というか、住民意識の高さが関係していると思う。
山があり海があり、人々は解放的で情がある本当に素晴らしいところなのだ。

同じ経験をしていない人間には想像するしかないのだが、想像も及ばないことというのはあるものだ。
だからこういう本から体験した人の話を聞いて、ほんの少しでもそれがどういうものだったかを知ることが大切だと思う。
藤本義一氏は書いている。
「災害は風化する・・と言われるとそういうものだろう、という諦めの気持ちになってゆく。そして積極性が失われていく」から、風化と言う言葉は使いたくないと。
10年以上経てば忘れてしまうこともある。
残念ながら人間はいつまでも同じ勘定では生きられない。

だからこそこのような本を読んで思い出して、鎮魂したり、自戒したり、備えたりする必要があるのではないだろうか。
誰もが自分にはそのようなことは起こらないと信じていることが起こるのが、自然災害なのだから。
posted by 北杜の星 at 06:55| ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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