2016年04月05日

綿矢りさ・角田光代ほか「マナーの正体」

マナーの本というのは以前からいろんな人によって書かれている。
とくに冠婚葬祭に関しての本が多いようだが、その他にも「話し方」(これはNHKの女性アナウンサーの著書ということ多いですよね)、「服装」とかすべての分野にはマナーがあるみたいで、常識に欠ける私は戸惑ってしまうが、マナーってつまりは人間関係をスムーズにするもの。
そうこだわることはないが、無視しては人さまの顰蹙を買うこがある。
。でも私はいつもマナーの本を書いた人って、その後の人生が窮屈ではないかと心配になる。「マナーの本を書いていて、あれかよ」と言われそうだもの。
どんなに普段は上品な語り口の人であっても、時と場合によっては啖呵の一つも切りたくなることはあるはず。そんな時にお上品な言い方はかえって滑稽だ。
私の友人でとても育ちの良い人がいるのだが彼女は実に見事に「くそったれ!」と言い放つこtがあって、思わずパチパチと手をたたきたくなる。

でもこの本は「正しいマナー」ではなく「マナーの正体」というもので、作家、学者、歌手たちが自分がこだわる様々なケースでのマナーについて書いているもの。
だから「それって、どうなのよ」ということだって多々ある。
例えば酒井順子はティッシュペーパーのマナーとして、鼻をかんだティッシュをすぐには捨てられず何度も使うのが「マイ・マナー」だそうだが、「えーっ、バッチイ」と言いたくなるし、綿矢りさはホラー映画の怖いシーンでは目をかたくつむって決して見ないらしく、「それってなんのためにホラー観に行くの」という気になるけど、これはまぁわかるような。。

綿矢りさ、角田光代、酒井順子、さだまさし、福岡伸一、竹内久美子、鎌田實、乃南アサ、藤原正彦、高野秀行、東直子、荻野アンナ、逢坂剛。
モノを書く人ってどんなものを書いても個性がそのままでるんですね。
福岡さんは分子生物学者らしいし、綿矢りさは日常の小さな事柄に視線を持って書いている。鎌田さんはとってもヒューマン。
じつはこの中の著者の一人である荻野アンナという作家、私は大嫌いなんです。
小説家には大いなる敬意を抱く私ですが、彼女の芥川賞受賞作の「背負い水」は、歴代芥川賞のなかでもっとも酷いものだと思っていて、今でもあれは取り消してほしいくらい。
くだらないダジャレの連続をなぜ選者が評価したのかが理解できない。
ダジャレが嫌いなわけではない。むしろ絶妙なダジャレってセンスがあって面白い。
だけどダジャレというのは「音」で愉しむものであって、「字」ではない。活字でダジャレを連発されても鼻白むだけ。
どうしても受け付けない作家、それが荻野アンナだった。
でも「マナーの正体」のいくつかの彼女のエッセイ、案外、よかったんです。人生を知った人が書いた文章という印象があって、共感できる部分が多かった。
ごめんなさい、荻野さん。狭量な私でした。これから少し読んでみますね。

「正しいマナー」本は苦手の私でも、これは面白かったです。
ちなみに「マイ・マナー」があるとしたら、本の紹介のためのストーリーは詳細に書かないことかな。
本ブログに懇切丁寧に筋を書く人がいるが、あれって私はマナー違反だ思う。だってこれから読む人に悪いでしょ。
ミステリー小説のラストを書く人はいないだろうけど、ふつうの小説だって全部を書いたら興を削ぐ。
まったく書かないのもどんな本かわからないので、そこらへんの塩梅がムツカシイですが。。
posted by 北杜の星 at 07:03| 山梨 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ワ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/436221778
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック