2016年04月22日

千早茜「西洋菓子店プティ・フール」

パソコンがきれいになって戻って来ました。
お掃除をしてくださったPCドクターさんは、「埃やゴミが結構ありました。とくに猫の毛が」と。
ハッチがPCのキーボードの上に来るからなぁ。
要求貫徹んために、わざとキーを踏みつけることも。。
まぁ定期的にクリーニングをお願いするしかないようです。

「男ともだち」から久しぶりの千早茜。
今回のテーマは「スウィーツ」。

東京の下町商店街に昔からある小さな西洋菓子店。
亜樹はこのじいちゃんの店でパティシェールとして働いている。
じいちゃんはお菓子の正式なフランス語名すら知らないが、基本に忠実にごまかしのないお菓子をつくる頑固者。
亜樹は都心の有名フランス人経営の店での経験を持つが、まだまだじいちゃんにはかなわないと思っている。
それでも彼女らしい斬新なケーキを生みだしたいと、ケーキ職人として必死で頑張っている。
そんな生洋菓子店をめぐる連作短編集だ。

亜樹、亜樹の弁護士の婚約者(もともと、じいちゃんのシュークリームの大ファンという店の客だった)、亜樹の元同僚とその恋人未満のネイリスト・・
かれらがそれぞれの立場から視点を変えて語る、彼らのスウィーツへの想い。。

お菓子、それも美しいケーキを食べるのはどこか背徳感がつきまとう。
こんな甘いもの食べていいのか?太っちゃうよ。虫歯になるかも。
バターやクリームって、コレステロールが怖いよな。
それにこれほどまでにもきれいに飾られたケーキを食べるのは、無残な気がする・・
せめぎあう気持ちが、なおのことケーキを美味しくさせるのかもしれない。

パティシェという職業はいま若い人や子どもたちの憧れれのまと。
じっさいに成功しているパティシェはちょっとした有名人だ。
でも華やかな彩のケーキができるまでには、厳しい修業がある。この小説にも出てくるが、店の厨房は重労働だし、休みだってほとんどない。
休みの日には亜樹のように新作の試作をしなくてはならない。
店の看板商品はもちろん必要だが、季節によっての新商品がなければお客さんはすぐにあきてしまう。

お菓子って不思議だ。
どうしてもなくてはならないものではない。つまりは嗜好品だ。
でも甘いものは疲れた脳にも心にも元気を与えてくれる。
糖質や脂質が体に悪くても、心身が疲れている時にお菓子を食べるときっと、アルファ波がでるのではないかしら?
嗜好品と呼ばれるものはみんなそういう素敵な役割を持っているのだと思う。
この本に登場するネイリストの女の子は、ネイルアートが人生の必需品ではないと知っているけど、だからこそ仕事に熱心になれるのだ。
必需品だけで世の中が成り立っていたら、色のない世界になってしまう。そんなのはつまらない。
背徳感があっても罪悪感があっても、美味しいものは美味しいし、きれいなものはきれいだし、それだけで存在の価値があるのだ。

ネイリストという仕事には漠然とした知識しかなかったが、プロとしてなかなか奥深いものがあるんですね。
季節、肌の色、個性などいろんな要素を考えながら仕事をしているとは、思ってもいなかった。
外国では(ピンからキリまでだけど)、日本よりかなり安くネイルができるけど、日本は値段が高い。
道具があれば家で出来る仕事なのだから、もっと安くてもいいと思うし、流行を追う若い女性向けだけでなく、ハンド・トリートメントの一部としてもっと年配の人たちが気楽に受けられるようになればいい。
でも最近のジェル・ネイルは爪にダメージを与えそうでいやだな。

えーっとですね、私の好みでいうと、亜樹ちゃんのスウィーツより、じいちゃんのシュークリームのほうを食べたいです。
柔らかなシューにたっぷりのカスタード・クリーム!コーヒー・タイムにぴったりです。
posted by 北杜の星 at 07:12| 山梨 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | タ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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