2016年07月21日

有元葉子「毎日すること。ときどきすること」

いわゆる料理研究家と云われる人のレシピで料理をつくることはほとんどない。
絵本を見るように気楽に料理本は見るのだけれど、どうも「これ、作ろう」という気にはならないのだ。
創意工夫を凝らしたり簡単レシピよりも、少々手間はかかっても伝統的というかクラシカルな料理の方が好きだから。
とくに本を見てまでも「作ろう」とする場合には腕まくりをして頑張りたい気持ちがある。
というわけでこの有元葉子さんの本も、レシピを知りたいというよりも、彼女のセンスあるモノ選びの目や潔い生き方に興味があるから手に取る。

だけどこれ、薄っぺらのスカスカ。
写真付きとはいえ、たかだか140ページの小さなサイズ。
しかも内容はこれまでの彼女の文章の二番煎じどころか五番煎じくらいのもの。
私はまだライブラリーで借りて読んだからいいようなものの、買った人はお気の毒。だって税抜きで1300円もする。
これは出版社が悪いのか、出版を認めた有元さんも同罪なのか。
このようなイージーな本を出すから、本市場が衰退するのだとつくづく腹立たしい。

まぁそれでも気を取り直して読んでみると、有元さんの毎日の暮らしの心構えがわかりますね。
すっぱり切るところは切る。(髪を染めるのは止めたそうだし、モノを三分の一に減らしながら暮らしたり)
続けることはしっかり続ける。(1時間あったらお菓子を焼くとか)。
何を切って何を残すかに彼女の人生観が表れている。
(私は屋根のついたテラスの床は毎日拭き掃除をしているが、オープン・デッキは拭かない。有元さんは毎日それを拭いているらしい。毎日拭くテラスだと裸足であるける。そうか、それはいいと、私は早速amazonで雑巾モップを買いました!)。

書いてある文章で、まさにその通りと同感だったのが、スグレモノの「無水鍋」について書いてある部分。
無水鍋って本当にいいですよね。
アメリカ製のステンレス5層とか7層の鍋セットも持っているのだけれど、毎日活躍するのは無水鍋。2代目だがもう30年以上使っている。
日本料理にはアメリカ製のステンレス・パンの底は適していない。少し丸くなっているから『煮物」がうまくできるんです。
アメリカ製の鍋は一つ二つを残して、処分しようと考えている。重いしね。
彼女は「スロー・クッカー」の便利さも書いているが、あれはとうに捨ててしまって、私は今はシャトル鍋を使っている。

有元さんは新潟の燕市の工場と共同開発して、キッチン・ツールを販売している。
そのシリーズの名前は基本という意味のイタリア語「ラバーゼ」。
究極のパウダー缶や食器洗いスポンジはたしかに良さそう。
(だけどこういう商品の宣伝みたいな本が1300円かと、またまたプンプンしてくる。)

2〜3日あれば車をすっ飛ばして野尻湖の山荘に行くとか、ちょっとまとまった時間が取れたらイタリアウンブリア州の家に行くとか、フットワークが軽い人。
自然が彼女には必要みたいだ。
それにしても彼女は決してウンブリアのどの街に家があるのかを明かさない。
近くの街の外国人大学にイタリア語を勉強しに行ったとあるのは、ペルージャのことだろう。
とすればその近くということは、スペッロあたりかまたはトルジャーノあたりか?
まぁどちらにしてもあの周辺は「イタリアの緑の心臓」と呼ばれる土地、美しいですよね。
そこで英気を養って、みんなの憧れの有元さんでいてほしいものです。
写真の有元さん、背筋がしゃんと伸びていて、素敵でした。
posted by 北杜の星 at 06:50| 山梨 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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