2016年09月13日

子島進む・五十嵐理奈・小早川裕子編「館林発フェアトレード」

2004年、子島進氏は京都から群馬県館林に移住した。
館林に隣接する板倉町にキャンパスをもつ東洋大学国際地域部で教えるためだ。
この本は子島ゼミで行われる社会活動をまとめたもので、机上の勉強でなく社会、それもアジアの国々との「フェアトレード」を通じて深く関わることになった経緯が書かれている。
こんなゼミ、面白くて楽しいだろうな。

途上国の発展と自立をうながす活動が目的ではあるが、じつはこれ、館林の町の活性化にも役立っている。
ショッピングモールで催されるフェアトレード商品の販売は、地元の新聞やケーブルTVで紹介されて大々的なイベントとなった。
物品を売って得た利益は途上国に還元される。
商売などと無縁な学生たちが品物を仕入れて売るのは大変なことだろうが彼ら、頑張ってけっこうな売上となっているのが立派だ。

じっさいにバングラディッシュに行ってもいる。
そこで書かれた詳細な「日記」には、現地をじっさいに見聞した人間ならではの感想があって、「あぁ、みんないい体験をしたんだ」とこちらまでうれしくなってくる。
それにしてもバングラディッシュにはさまざまなNPOやNGOが活躍していて、たくさんのフェアトレード商品が生産されているのですね。

フェアトレードは発展途上国の搾取されている底辺の人たちの自立を支援する経済活動で、伝統的な手工芸や食べもなどの生産品を公平適正な価格で買い取ろうという運動。
搾取するのは国の内外の企業である。
またこの活動には、子どもを労働から解放しようという目的もある。
ユニセフやアムネスティなどのNGO、自然食品店などでフェアトレード商品を買うことができる。
我が家ではアフリカからのフェアトレードのチョコレートが好きでときどき買っているのだが、残念なことに夏場は扱っていないんですよね。
融けちゃうからかな?

このような活動が大学であるというのは学生たちにとって大きな意味のあることだと思う。
まず、達成感の歓びは大きい。仲間たちと企画から販売まですべてを受け持つのだから。
活動で出会うたくさんの人たち、買いに来てくれる館林の人たちへの感謝、そして会ったことのない遠くで物を作る人たちへ馳せる想いは、学生たちのこれからの人生にきっと何かの影響を与えるはずだ。
いいなぁ、こんなゼミがあるなんて!子島先生のようなひとがいて!

現在は東洋大学国際地域部は館林を離れ東京に移ったのだが、「館林フェアトレード」は館林のショッピングモールにおいて続いているという。
大学生だけでなく、地元の中学生ボランティアの参加もあるそうだ。

思い出した!子島進先生の本、以前にも読んだことがあった。
「イスラムと社会活動」というタイトルだったと思う。3・11時に被災したムスリムの人たちに物資を届ける活動が書いてあったと記憶している。
そうか、あの子島先生なんですね。。
posted by 北杜の星 at 07:37| 山梨 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ナ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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