2016年09月22日

木村紅美さんのコメントへ

作家さんご本人よりコメントを頂くことが稀にあります。
驚きつつ恐縮しますし、緊張します。
とくに辛口を書いたものへのコメントは気が重く、申し訳なさでいっぱいになります。

私は木村紅美さんの愛読者と自認しています。単行本になった作品はデビュー作からすべて読んでいます。
半分は自費で買ったもの、半分は図書館で借りています。今回の「まっぷたつの先生」は図書館のネットの新刊案内で見たので、これはラッキーと借り出したのでした。
木村さんの小説はいつもテーマが異なっていて、シリアスなものから軽い印象のものもあり、そのなかに「音楽」があって「今度はどんな曲が挟んであるのかな?」を探すのが楽しいのです。

全部読まないで批評するのは確かに、フェアでないかもしれないなと自分でも思いながら記事を書きました。
ときたまですが、年に一冊くらいはこういう形になりますが、その場合も書くことにしているのです。
それは、「読めきれなかった」というのも感想のひとつの表現だと思うからです。

本は作家が書きます。
作家との相性は当然ありますし、好きjな作家の作品が全部気にいるわけではありません。
それはお気に入りのレストランと同じではないでしょうか。
どんなによく通うレストランでも嫌いな一皿はあります。
新メニューに首を傾げることもあります。素材や味付けが好みでない時も、こちらの体調ということもあるかもしれません。
残念だけどそれは仕方ないこと。
好きな作家さんの新作が好みでないのは私の問題だと思います。単に私と相性が良くなかったのです。

その感想を正直に書いてはいけないのか?
作家への批評ではなく作品への批評なのです。それは私の感性から出るパーソナルなものです。
誰からも依頼されたわけではなく、報酬も受けていません。
提灯記事を書く必要はないのです。
(最近の作家による書評や書評家の書評には提灯記事が多いですよね。帯文ならともかく、あれはとっても気持ち悪いです。批評になっていない。パーフェクトな小説がそう存在するはずはないのに、狭い業界の住人が軋轢なしに生きていくために書いているとしか思えません。。そんな書評が多いです。
たまにはっきり物申す人がいて、それは作品というよりも「純文学」に対する批判だったりして、それには笙野頼子が徹底抗戦していて、それはそれで胸がすき応援したくなります)。

でも私のようなシロウトが書いたものが、作家さんにはそれほど気になるものなのでしょうか?
作家さんはそんなにナイーブなのですか?
私が書いたことが木村さんを傷つけたのなら、本当に申し訳ないです。
ましてやそれが本の売上に関わるとしたら。。

私が読み切れなかった理由の一つに、字が小さかったことがありますが、木村さんのコメントにあるようにそれは出版のさいの経費削減なのですね。
字が大きければページ数も多くなり単価が高くなる。。
本が売れない昨今の事情がこういうところにも反映されているのですね。
作家さんの生活が大変なのは柳美里さんが書いているし、あのイトヤマさんのブログを読んでもその大変さにつくづく身につまされます。
初版本が5千冊とか3千冊とか聞くと、作家さんの生活とともに本の存在が消滅してしまうのではないかと心配になります。

私は本が好きです。60年以上ずっと本を読んで生きてきました。
本と同じくらい、本を書くひとも好きです。自分を違う世界に運んでくれるひとを敬愛しています。
だから本が売れない、作家さんが苦しいという現実は悲しいし口惜しいです。
もっと本を読んでもらいたい。、願わくばkindleではなく、活字の紙の本で読んでもらいたい、そう思っています。
だって電子図書には「佇まい」がないでしょ。佇まいというのは大切です。良い本には美しい佇まいが感じられます。
(だけどそれさえも、経費節減が関わってくるのですね。)

木村さん、先生だけでなく本の好みも「まっぷたつ」です。
全部読まなくてごめんなさい。
4年待って待って、待ち焦がれていたんです。
木村さんに書く必然性があったのでしょうが、読む私には理解できなかったのす。
どうか次はせめて1年後くらいには出してください。それくらいなら、まだ、私の目はもつと思うので。
楽しみにしています!

そうそう、私はほとんどの本は図書館で借りて読みますが(これまで本にはすごく投資しているんですけど、素敵な本は親しい友人にプレゼントしたくなって購入します。
木村さんの「春待ち海岸カルナヴァル」も大好きで、若い友人に買ってプレゼントしました。
とても喜んでもらえて、私もうれしくて鼻が高かったです。
図書館はいわば、本の広報のようなところだと思います。そこから広がる「何か」があります。
だから木村さんのコメントにあるように、買ったのなら謝るが図書館で借りたのなら謝らないというのはちょっと変。
第一、上にも記したように、本の評価は読者によって「まっぷたつ」なんです。作家さんが謝るべきものではありません。

嗚呼、疲れました。。
コメント欄で返信することも考えたのですが、みなさんのお考えも伺ってみたかったので、記事にしました。
posted by 北杜の星 at 15:26| 山梨 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今作は「合わなかった」のならわかります。一方的に「面白くない」「すごく悲しい」と書かれたのに私は落ち込んだのでした。ブログの批判って、こちらの精神状態にもよりますが、まあ大体は無視しますけど、心の中に悪魔のように忍び込んで反響し続けるときがあるんです。
悔しい気もしたし・・・。そしてお買い上げになったうえでつまらなかったのならそれは本当に申し訳ないなと思いました。1700円とか大金ですし(私にとっては)
私もすごく好きな作家でも買う時と借りる時といろいろですよ。
1年に一冊くらい、本が出るといいですけど、なにせ才能がないもので
この4年ほどのあいだには、丸一年ボツ続きのときもあったし(それも、もっと早めに切り上げればよかったものを、ここまで来たら何としても活字にしてお金にしなきゃ、後には引けない、と焦って、猪突猛進的に10回、20回と不毛な書き直しを繰り返して駄目でした)
そのスランプから立ち直って再び小説を書けるようになったのがこの「まっぷたつの先生」で
さらに「まっぷたつ」の前後に、某誌に自信作の中篇を二篇、仕上げて(ストレス性のじんましんになりました)
これは絶対本にしてほしい、なるだろう、と考えていたら
「夜の隅〜」が全く売れなかったせいもあって「もううちから本には出来ません」という宣告が、大恩人の編集さんからメール1本で届き、
あと、その1年前くらいに「春待ち」絶版になったのかな?
「月食の日」とかはとっくに絶版・・・私には絶版が日常で
文庫化作品はいままで皆無
そういう状況の中で「まっぷたつ」は絶対本にします!と言われたのに心底救われ、自分にとっては命綱の小説でした。・・・でもずっと読んで下さった方に途中までで投げ出されて「悲しいです」かあ〜〜〜とドーン。ときましたが、、、でも、合う人もいるようですので、そちらを支えに、今後も書いてゆきます。
Posted by 木村紅美(本人) at 2016年09月22日 22:09
木村さん

小説家って厳しい仕事なんですね。
書くのは難しいでしょうが、書き続けるのはもっと難しいことなのでしょう。
それをケアレスに批評して、本当に申し訳ありませんでした。

木村さんのこのコメントは、なんかとってもせつないです。

どうか「才能がない」なんて仰らないでください。
そんな才能のない作家の作品をずっと好きで読んできた私は何なんですか?

「月食の日」の盲人をめぐる人たちの、決してウェットでない、適当な乾き具合は、ユーモアもあって、いい小説でえした。
「島の女」もよかったです。
そして「イギリス海岸・・」は今でも時折読み返して、もし行くことがあれば、必ずこの本を携えて行こうと思っています。

なにより「夜の隅のアトリエ」は私にとっての木村さんのベスト・ワンです。
あの女性主人公が醸し出す雰囲気というか空気感は、文章もあいまって忘れられません。
凝縮した緊張感があって、それが彼女の虚無以上に胸に響きました。
あの本が売れなかったなんて。。

「まっぷたつの先生」に私は感情移入ができなかったんだと思います。
小学生の時の経験や、ましてや大人になってから小学校のときいの先生との交流なんて皆無なのですから。

人と出会うように、本との出会いもありますよね。
求めていれば必ず出会える!
木村紅美という作家さんと次に出会える日を楽しみにしています!!

Posted by ハッチ at 2016年09月23日 13:57
ありがとうございます。なんか、どんな目にあっても、なんだかんだいっても、次の日には小説の下書き用のノートをひらいて何か書いてるんですよね・・・(笑)「雑草魂がある」と編集さんに言われたことがあります。コメントやりとりさせて頂けて、よかったです。つっかかっていってしまいましたけど(今は冷静になったので少し恥ずかしいです)ご自由に書いてほしいです。私も、同業者がお友だち同士で誉めあってる(ちなみに、私は同業者に友だちと呼べる人がひとりもいないのですけど)書評は、違和感を感じてるほうです。
Posted by 木村紅美(本人) at 2016年09月25日 19:55
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