2016年10月31日

高山なおみ「ウズベキスタン日記 空想料理の世界へ」

武田百合子の「犬が星見た」をバイブルのように読んできた高山なおみが、百合子と泰淳の後を追うように旅した記録がこの本。
この前に「ロシア日記」が発刊されている。
ロシアには韓国籍の船で韓国経由でロシアに入り、そこからシベリア鉄道で2週間の旅をしたのだが、それは5年前、東日本大震災の2か月後のことだった。
そして第二弾の砂漠へのこの旅はその2年後。
同行者はロシアと同じく画家の川原さんだ。
今回も韓国経由でウズベキスタンの首都タシケントへ。
ロシア旅行と同じくウズベキスタンでも女性通訳がずっと随行した。

旧ロシアとはいえ、前回のシベリア鉄道の旅とはかなり趣が異なる。
それはやはりウズベキスタンが砂漠の国だからだろう。
なにしろ乾燥している。日中の気温は40度を軽く超える。
それでも食べ、飲み、歩き、人と出会い、百合子の足跡をたどり、高山なおみらしくさまざまなものを見聞している。

料理家なので食べることは仕事のうち。
でもウズベキスタン料理って油が強いんですね。
高山さんはお腹を壊してしまった。
読みながら「そんなに食べて平気なの?」「アイスクリームはヤバイよ」と気が気でなかったのだけど案の定、お腹はピーピーに。
そして旅の終わりには川原さんまで同じ状況になってしまった。

そんなときにも、砂漠で飲む熱いお茶は美味しかった。
ぐりーん・ティとブラック・ティがあるらしいが(ウズベキスタンではティをチーと発音するらしい)、どちらも乾燥した喉と体中の細胞に沁み渡る。
(宮本輝のシルクロード紀行文「ひとたびはポプラに臥す」に書いてあったが、灼熱の砂漠を旅するときに冷たい飲み物を飲むと体を壊すのだそうだ。必ず熱いものを飲まなくれはいけないとか)。

ひなびた小さな村で出会った人々の素朴な優しさ、バザールの店の母と娘たち、運転手の絶妙な人との距離のとりかた・・
そしてそれらを受け止める高山さんと川原さんの感受性。

旅したのが前回のロシアと同じく6月。(百合子たちの旅と同じシーズンを選んだのだろう)。
だからだろう、野菜や果物が豊富である。きゅうりやトマトが新鮮だ。
肉は羊、牛・・煮込みが多いみたいだが。脂も多い。
宿の朝食には果物も出たが、ウズベキスタンの人は朝食には果物は食べないのだそうだ。
これは理屈には合っているのかもしれない。
長い時間の空腹の後の朝食には、繊維が多い物を避けるほうがいいとも言う。
だから野菜や果物を摂るのならジュース。それも今はやりのスムージーには繊維が多すぎるので、サラリとしたジュースが一番。
繊維は夜摂るのがいいと聞く。眠っている間に繊維が腸で作用して、朝起きるとお通じとなるとか。
そういえば、日本でも昔から朝は水分たっぷりで消化の良いお粥を食べるし、外国では生ジュースを飲むものね。
ウズベキスタンの人もそれを知っているのか。

砂漠の国の人だからか、ウズベキスタンの人は噴水が大好き。
街では噴水がライトアップされて、涼しくなる夜には人が集まるらしい。
雨も大好き。旅では最後に一度だけ通り雨に会ったそうだが、子どもたちは雨の中に飛び出して跳ねまわっていたそうだ、
今年の夏は雨続きの八ヶ岳でうんざりしたのだけど、そんなこと言ってはいけないのですね。
ときにはウズベキスタンに想いを馳せましょう。

私の友人にシニア・ボランティアの日本語教師として、ウズベキスタンに2年間JAICAから派遣されて滞在した人がいます。
今度、もっと詳しくウズベキスタンの話を聴いてみたいものです。
posted by 北杜の星 at 07:49| 山梨 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | タ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック