2017年04月20日

小林せかい「ただめしを食べさせる食堂が今日も黒字の理有」

神田神保町にあるこの食堂のことは、なにかで知っていたが、詳しいシステムはこの本で知った。
これを書いたのは未来食堂のオーナーである小林氏だ。
未来食堂と名付けただけあって、そのシステムはこれまでにないユニークなもの。

この店はカウンター席のみの定食屋で、日替わり定食が一種類のみ。900円で提供している。
ここはオーナーの小林氏だけでまわしていて、従業員は誰もいない。
でもお昼時にはそれじゃぁ大変でしょ、と思ってしまうが、これが大丈夫なのだ。
50分食堂を手伝うと、1食分がタダになるのだ。
いつもはお客うさんとして来ている人が、今日はスタッフとして働く。報酬はその日の定食。
ずいぶん合理的なことを考えついたものだ。

うーん、だけど、うがった見方をすると、定食の原価は300円そこそこだよね。つまりは300円の報酬ということになってしまうのでは?
まぁ、お互いが納得していればそれで全然構わないのだけど。

50分を定食一食分で働く人のなかには、自分でその定食を食べずに、友人にプレゼントする人もいるという。
こういうのって、ちょっといい話。
だけどこの店、これだけでは終わらない。
もっと慈悲深く素敵な人がいるのだ。
自分でも食べず、友人知人にもプレゼントせずに、見知らぬ誰かにご飯を食べてもらう。
その無料食事券を店のドアに貼っておくのである。
ちょうど窮乏生活をしている人はその券をはがして使って、ご飯が食べられる。
なかには、本当のそうは困っていない人が使うかもしれないが、それはそれ、しかたない。
そういう善意がこの店で働く人にはある、ということ。

「ただめしを食べさせる食堂」というタイトルには、ちょっとひっかかる。なーんか、ゴーマン。
それにただめしを食べさせているのは、店ではない。店のオーナーではない。
働くお客さんが人間として上等なんですよね。
そうしたお客さん二負けないような人格の持ち主が小林氏なら、言うことは何もないです。
神保町の街で、未来食堂が繁盛してほしいです。
posted by 北杜の星 at 07:26| 山梨 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | カ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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