2017年05月22日

群ようこ「かもめ食堂」

11冊目の点字本。
これを読み終わる頃には。ちょっとスピードが上がったのが実感できて、これからは地元の点字図書館だけでなく他県他館の本も借りられるようになるかもしれない。
それだと新刊本が借り受け期間20日間以内で読めるかもしれない。
と言っても、点訳するタイムラグがあるので、どうしても数カ月後になるのだけど。

「かもめ食堂」は本で読むのはこれが初めて。
封切された時、映画を見た。
なによりも驚いたのが、これ以上ないというキャスティングと、食器や調理器具やインテリア、それと料理のセンスの良いことだった。
さすが北欧はデザインの国。すべてが素晴らしいコーディネートだった。スタイリストがよほど優秀だったのだろう。
それらの中には我が家にある鍋や皿もちょっと画面に出てきて、「あっ!」とうれしくなったものだ。
あんまり日本映画を観ない私だが、「かもめ食堂」はもう一度観たいなぁ。
(ここのライブラリーにDVDがあるみたいなので、借りよう!)

印字本は一冊だが、点字本は2巻に分かれている。
その一つを読んで「あぁ、これって映画のまま、とうか映画化は本のままなのね」と思った。
映画化された原作が映画とはかけ離れているのはよくあることで、その最悪ケースは、村田喜代子「鍋の中」。
黒澤明監督によって「八月の狂詩曲」という、なんとも安っぽいヒューマニズムに化けてしまっていてびっくりした。
原作者の村田喜代子も怒り心頭だったと聞く。
でも「かもめ食堂」はそんなことはまったくなくて、本と映画がぴったりだった。

でも、でもですね。。
一冊目の最後の頁で「あれー?これってエンディング?なんで?なんで?」
もしかしたら、これって第2巻のほう?私、第1巻を飛ばして後半を読んじゃったの?

そうでした。第1巻のほうには、サチエやミドリがフィンランドにやってきた経緯が書かれていた。
豪華な食事ではなくふつうのご飯を供する食堂を持ちたいと思っていたサチエが、宝くじに当たってフィンランドに店を構えるようになったこと。
サチエとミドりの「ガッチャマン」出会い。
そんなこんなが第1巻でわかった。
それにしてもこの本、まるで映画を目的に書かれたんじゃないかと思うほど、サチエは小林聡美、ミドリは片桐はいり、マサコはもたいまさこ、そのもの。
みんなナチュラルな演技だった。

サチエが日本のソウル・フードと呼ぶ「オニギリ」。
誰が何と言ってもこれだけは譲らなかったサチエの「オニギリ」。
外国人にとってはとても珍妙なものに映るらしい。とうてい食べものとは思えないようだ。
海苔は黒い紙だし、まず海苔の黒とご飯の白という強いコントラストは食べもの概念から外れている。
中の梅干しやおあかかも、彼らの嗜好には合わないかも。
でもそんな「オニギリ」を信じてメニューに載せ続けるサチエを、心から応援したくなる。

それと可笑しかったのは、合気道の達人の父に育てられ、自身も心得の尾あるサチエが毎日膝行法をしている傍で、ミドリがヨガっぽい動きをすると、サチエがすかさず「ヨガはダメですよ」と言うところ。
武道の動きとヨガの動きは違うんでしょうね。

この2冊、点字で全300頁弱を6日間で読了。
やったぁ!!という達成感でいっぱいです。
posted by 北杜の星 at 07:58| 山梨 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | マ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/450108668
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック