2017年07月25日

石田衣良・唯川恵・佐藤江梨子「TOROI1 トロワ」

いやはや。。なんとつまんない小説を読んじゃったのか。
ここ数年で最悪の本だった。
登場人物、ストーリー、文章、そのどれもが「なんで、こんなのが出版されるの!?」という感じ。
しかも私はこれを点字本で読んだので、感覚的に耐えられなかった。
最後の四分の一を残して、放り投げました。

「トロワ」というタイトルにはいくつかの意味がある。
「3」人の人物、34歳の作詞家の響樹。
響樹と付き合っている45歳の高級エステサロン経営者の季理子。
銀座のクラブでバイトする24歳の歌手志望の若いエリカ。
彼らの微妙な三角関係の「3」。
そしてこれがこの本の企画なのだと思うのだが、それぞれを「3」人の書き手が文章を担っている。

響樹は石田衣良、季理子は唯川恵、エリカは佐藤江梨子。
佐藤江梨子って作家いたっけ?と訝しがっていたら、彼女は女優さんなんですね。
テレビ、それもドラマをまったく見ない私は今の俳優さんたちをまったく知らない。そういえば「サトエリ」という名前はなんとなく記憶にはあるけど。
彼女、小説も書く人だったのか。

と、思ったけど、小説はこれが初めてなんじゃないかな?
エリカという主人公にちなんで、江梨子さんが抜擢されたのだろう。
でもね、なんとくか、役を引き受けたその勇断にまず驚く。
はっきり言って、ものすごくヘタ、まぁ、ヘタは承知のことかもしれないのだが、気になったのは、石田や唯川の文のなかのエリカとはキャラがまるで乖離している。
とってもつまんない若い女性としか感じられない。
こういう女性を、歌手として売り出そうと努力する必然性いが何も伝わってこないし、若いというだけで魅力のない子に嫉妬する季理子にも全然同情できない。
企画倒れもはなはだしいです。もっとも若い女性の稚拙さを表現しようとしたのなら、これでいいのかもしれないけれど。
それと唯川恵の文は悪くなかったが、石田はいつものように「軽く」「さっさっと」「あざとく」書かれていて、どうも鼻白む。
私はこういう作家の『巧みさ」が嫌い。

点字本は嵩ばるんですよね。だから早々に返却しました。
私が「トロワ」と聞いて頭に浮かべるのは、ルノー「3」という車のこと。
これはルノー・キャトル(4)の廉価版として1960年代初めの2年間だけ製造された車で、もともとキャトルが大衆車なのだけど、そのまた廉価版。
でもこれがシンプルでかわいい。
もう55年くらい前のものなのだけど、これを私のもっとも若い友人のS君が持っている。
ちゃんと整備しているので、スピードは出ないけど今も現役で動く。
この「トロワ」なら大歓迎なのだけど。
posted by 北杜の星 at 07:38| 山梨 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ア行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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