2017年11月21日

三浦しをん「白蛇島」

サトシは高校3年生。故郷の拝島を離れ都会で寮生活をしている。
彼は夏休み、13年に一度の島の大祭のために帰省した。
港に迎えにきてくれたのは光市だ。
拝島は古い風習が残る閉鎖的な島。そこでは長男だけが島に残り、次男以下は島を出なくてはならない。
そして長男同士は「持念兄弟」として、お互いに持念石を身に就け、生涯を深く強く結ばれているのだが、サトシと光市もその持念兄弟なのである。

島には不穏な空気が漂っている。島の守り神の白蛇、氏神神社の長男と次男、「アレ」の出現、海に浮かぶ「黒いアタマ」、洞窟・・
おどろおどろしく、禍々しい島とそこに住む各集落の人々。
昔から変わらないものと、変わろうとするもの・・

こういう小説は何が起きても、まぁ着地点はわかっている。
でもこれ、ほとんど何も起きないんですね。
私はこれを計4巻(1巻、約150ページほど)の点字本で読んだのだけど、最初の巻の半分くらいまで、ひたすら島の説明。
ホント、何にも起きない。
やっと人物配置がはっきりしてきても、これというほどのことは起きない。
だけどなんだろ?ついつい、最後まで読んでしまったのだ。
面白くないと言えばちっとも面白くないんだけど、書いてる本人は楽しんでいるのかもという気がところどころに感じられて、それに引っ張られたみたい。
ストーリー性はないけど、ディテールがよくわかるし、部分部分に新鮮さがある。
その新鮮さはやはりサトシと光市という「少年」が主人公だからだろう。つまりこれは、少年冒険小説として読むものなのだ。

この拝島、印象としては瀬戸内海のどこかの小島。それも広島県や愛媛県ではなくて、岡山県のような。。
(これって、私が岩井志麻子に毒されているからかな?)
日本海の離島という雰囲気ではない。
サトシと光市の他に主人公がいるとすれば、それは軽トラックだ。
光市がサトシを港まで迎えに来るのも軽トラックだし、島中を走り回るのも軽トラック。
スリリングな2台の軽トラックのチェイスまであってサービス満点だ。
「あとがき」を読んで理由がわかった。
この「白蛇島」は三浦しをんにとって「白い軽トラック三部作」の最後の作品らしい。といっても3つの物語りに繋がりはない。
とにかく彼女は軽トラックが大好きなのだとか。
道路交通法違反hの軽トラックの荷台に、ここではいろんな人を乗せているけど、島だもの、やかましいことを言う人がいるわけでhない。

都会に住んでいた頃は軽トラックを見ることはあまりなかった。
でも田舎では軽トラはごくごく日常的な車で、ほぼ各家庭に1台はある。
農家にしてもちょっとした商店にしても、軽トラがなくてはどうしようもないことが多い。
都会からの移住組でも外仕事したり、ゴミ出しのために軽トラを買うひとは多い。
三浦しをんは「白い軽トラック」と言うが、最近は女子の軽トラ乗りをターゲットに、ピンクやブルーの色付きもあるみたいだけど、軽トラックはやはり白。
時々一緒にランチする友人が軽トラックに私を乗せに来てくれるけど、困るのはバッグ一つ置くところがないこと。
女子用の軽トラックはそこらへんが改善されているのだろうか?
だけどああした車というよりも、トンカチやチェーンソーと同じくツールとして使うものの設備があんまり充実するのも、ちょっと違う感じがする。
軽トラックは実用一辺倒でいいと思います。
うーん、この本、軽トラックの魅力で読んだのかも。
posted by 北杜の星 at 07:56| 山梨 ☁| Comment(0) | マ行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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