2017年11月23日

岡本綺堂ほか「山の怪談」

民族学者、作家、登山家、山用j品店店主・・
山に深くかかわった人たちが見聞した「山の怪談」が並ぶ。

山にはもののけがたくさん棲むような気がする。
海の怪談話しというと、海坊主くらしか思い浮かばないけれど。
山のもののけは、人なのか動物なのか?暗闇の森や林の怖さは誰もが経験したことがあるものだろう。
よく知った道でも迷うことがあるというが、それも「山の怪談」の一つかもしれない。

けれど柳田國男の書いているのを読むと、山にはそんなことはごく当たり前に起きることで、何の不思議もないようだ。
都会からの若者たちが山深く入り、山住みの老人の前で「山の怪談」話をワイワイしていた。老人は何も口挟まず聞いていた。
夜更けて眠る頃になり、彼らは不思議な物音や気配に気付き、騒然となった。
それを見た老人は、「山にいればこんなことは普通に起きることにすぎない。静かに寝ろ」と言い放ったそうだ。

畏れを知ること。
人間界を超えるものの存在に敬意を払うこと。
それを知るためには山は格好のお手本だと思う。

明らかに山の遭難者が出て来るのでは?という怪談もある。
山でテントを張って寝ていたら、遠くからひたひたと足音が近づいてくる。そしてその足音はテントの前でぴたりと止まる。
出て見るとそこには誰もいない。
訝りながら寝ているとまた同じことが。
何度も繰り返し、とうとう面倒になって眠るのだが、あれはきっと遭難者が何かを伝えたくてやって来たのだろう。
こんな現れ方はそう怖くない。ちゃんと接してあげれば落ち着いてくれるような気がする。

どうしようもなく怖いのが「行ってはいけない山」があることだ。
そこに行くと、何かに憑かれてしまう。命まで落としかねないことになる。
そういうのに敏感な人っているんですよね。
私には霊感はないが、知人にそういう人が居て、頭が痛くなったり吐きしたりするそうだ。
霊感はないけれど、「ここは『気』が良くないなぁという直感はけっこう働く方で、私はその自分の直感で場所を選んだり人を選んだりしているところがある。

登山家作家として有名なのが深田久弥。
彼もたくさんのことをここに書いているが、あれほど山に登っていたのだから「山の怪談」話には慣れている。
彼はここ山梨県の茅が岳で登山中に亡くなった。といっても遭難ではなく脳卒中を起こしたのだ。
この茅が岳は東京方面kら中央道で甲府を抜けると、すぐ見えてくる。
知らないひとはこれを八ヶ岳と勘違いするので、「ニセ八」と失礼な名で呼ばれている。
標高は八ヶ岳に較べると千メートルくらい低いが、それでも十分雄大な姿をしていて私は好きだ。

ちょっと昔の書き手の文章が多かったのだが、落ち着いて品があって、どれも素敵な文章でした。
posted by 北杜の星 at 08:04| 山梨 ☁| Comment(0) | ア行の作家 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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