彼女の初めての海外旅行は21歳のとき。バイト代と親からの借金で出かけたヨーロッパ6カ国の鉄道旅行だった。
以来西や東や北のヨーロッパ、アジアなどを巡っている。
この本はその旅先で出会った食べものを、お得意のイラストに文章をつけて紹介したもの。
食べものは高級なものではなくて、B級グルメがほとんど。屋台や定食屋さんの食事が主なもの。
だけどというか、だからこそというか、食べものが活き活きしていてパアワーがあるのが素敵だ。
私も外国に行ったら、そこの土地の人が普段行くようなところで食事をしたいほうだ。
数日間の旅行なら少々高級なレストランの食事もいいだろうが、2週間とか3週間滞在するなら、それでは飽きてしまうし、健康にも悪い気がする。
やはり普通の定食のようなのがいいな。それも現地の人に混じってのご飯が。
イギリスではパブのご飯、パリの学生街でのカフェで軽食、ノルウェイでの羊やヤギのハム・チーズ・・
アジアでは中国、香港、ヴェトナム、インドネシア、スリランカなどのこれも気取らない現地食の数々。
この本を見ると、絵が描けるっていいなぁ、楽しいなぁとつくづく思う。
自分も楽しいだろうけれど、旅の思い出として友人に見せるのにも楽しいのではないだろうか。
写真だとなんだか旅の自慢っぽくなってしまって、イヤミになることもあるけれど、イラストなら「わぁ、カワイイ」と無邪気になれそう。
(だけどこの本はイラストがメインなだけあってか、文章が少ないというか、食べものにまつわるエピソードの記述がもっとあってもよかったように感じるのだけど)。
杉浦さんはリゾート地が嫌いだったそうだが、友人の結婚式に参列するためにバリ島に行くことになった。
そのときに滞在したリゾートホテルは中級のリーズナブルなホテルだったが、それでも、素晴らしかったそうで、リゾート地のイメージが変わったみたい。
じつは私たち夫婦もリゾート嫌い。
どんなに素敵なホテルであっても、その中だけで旅が完結するのはどうも物足らない。まぁ、貧乏性なんですね。
でもそれは多分、経験がないからかもしれない。一度行けば案外、病みつきになるかもしれない。
ある友人に「リゾートが嫌いなの」と言ったら、「アナタの家がリゾートみたいなもんじゃない」と言われたことがあるが、確かに、我が家は八ヶ岳の高原リゾートにあり、目の前にドーンと素晴らしい南アルプスが遮るものなく見えている。。リゾート、行く必要ないか。
外国だけでなく日本国内もある。
「B級グルメの聖地 大阪」も出てくる。
そう、大阪は本当にB級グルメいっぱいのところだ。なにしろどこに入っても「美味しい」「安い」をクリアできていなければお客さんは来ない。
大阪はたいてい、どこに入ってもそこそこ美味しい。少なくとも不味くて食べられないところは、まずない。
そこが東京とは違うんですね。東京では美味しいと評判のところなら合格範囲内だけど、「こんなのどうやったら作れるんだよ」という代物を出す店もある。
味のレベルは絶対に大阪の方が上だと、大阪に数年住んだ私は断言できる!
この年齢になって、これまで行ったことのある外国や国内で、「あぁ、アレ、また食べたい」と思うのは、高級料理じゃないのが不思議。
イタリア中部の豚の丸焼きを薄く切ってパサパサのパンに挟むポルケッタ、香港のオカズを乗っけたご飯、広島のお好み焼き、大阪の「インディアンのカレー」(これは今は東京駅にも出店があるようですよ)、博多の丸天やごぼ天を加えた肉うどん・・
思い出すだけですぐにもその土地に行きたくなる。
私は下戸だから、どこに行ってもお酒を自分で注文することはないが、お酒を飲む人にとっては、お酒は旅の大いなる楽しみの一つだろう
イギリスのビール、ベルギーのビール、チェコのビールの味はどう違うのか?
私にはわからないのが残念。
ところで私がこれまでの人生で食べたもっとも不味いモノ・・それはナント、あのグルメの国のフランスはブルゴーニュのレストランでの食事だった。
人間の食べるものとは到底思えない味だった。私も夫も二人とも残したが他の客が全部平らげていたのは、どうしたことなのか?いまもって謎だ。
面白いのは、そういうことだって「旅の思い出」として、一生覚えているものなのだから、美味しいご飯だけが旅のすべてじゃないうことなのかもしれない。

